2000年1月10日AM4:15 タヌキ
神戸市立森林植物園 トラップカメラ by権藤眞禎
2007年5月 ヌートリアと生息環境
三田市相野近郊の武庫川 権藤眞禎撮影
外来獣として駆除対象動物。
溜池の堤に穴を掘り、溜池の決壊につながる。
2009年6月16日PM11:52 キツネ
神戸市立森林植物園 トラップカメラ by権藤眞禎
2013年10月9日PM10:34 ニホンジカ
豊岡市の竹野スノケールセンター トラップカメラ by権藤眞禎
2014年1月1日:アナグマは増えているのか?
副理事長 谷口誠司
毎年、我が家の年賀状は、「サンキュウ牧場」の動物写真である。以前は、ほとんどの「干支」を飼育している動物で賄えたが、最近は動物の数も減り、今年は亡くなった馬の「ハヤテ」に代わり、アナグマの「クーチャン」が代役を務める。「本年もよろしクー♪」と言うわけだ。
秋も深まり、木の葉が落ちだすと、私の住んでいる三田市藍本のサンキュウ牧場や周辺の平地に、あちこち穴が掘りまくられるようになる。アナグマの餌探しの跡で、イノシシの鼻跡やモグラの穴とは明らかに異なる。穴の底に小さな穴があいているのをよく見かけるが、これは地中のミミズを引っ張り出した跡らしい。農業被害の一斉捕獲で捕らえられ、やってきたクーチャンはミミズよりラーメンのほうが好きであるが、雑食性のアナグマは、種子や果実、農作物、小動物も食べている。そうだ。確かに、ここ4、5年でアナグマは急激に増えたように思う。夜行性のはずであるが、昼間も結構見かけるし、交通事故で昇天した姿も目にする。
アナグマは本州、四国、九州の山野に生息し、広くヨーロッパなどに分布している。日本のものは亜種名として、ニホンアナグマと呼ばれており、兵庫県版レッドデータブック2003では「個体数激減」を理由にCランクになっている。そんなアナグマが近年、本当に増えたのだろうか?
実は今、密かにアナグマのファンが増えていて、当方に見に来られる方も結構多い。そのクーチャンを観察していると、臆病者なのか、のんき者なのか、さっぱり分からない。小さな物音で、慌てて隠れるかと思えば、仰向きになってくつろぎ、日光浴もする。ただ、平和主義者であることは確かだ。後から来たタヌキや隣のケージのサルに大好物の柿を取られても決して怒らないし、争いを好まない。
加東市の「県立やしろの森公園」では、私が呼び掛けて「播磨野生動物調査研究会(野動研)」を立ち上げた。メンバーのOさんが見つけたアナグマの巣穴を、2台のセンサーカメラを使って5年間にわたって調査している。ここでも平和主義者を思わせる生態を見ることができる。
一見タヌキに似ているが、イタチ科の動物で、前足に大きな爪があって、穴掘りが非常にうまい。巣穴は通路のように走り、広範囲に掘られており、いくつかの出入口につながっている。網目状の穴にタヌキやキツネ、アライグマといった他のさまざまな動物が入り込み、利用している。居候を許しているのだ。その様子がセンサーカメラに写っている。
アナグマはムジナとも呼ばれる。「同じ穴のムジナ」とはよく言ったものだ。穴が掘れないタヌキはムジナの穴を利用し、住んでいる。その様を言っているのだろう。
自分の掘った穴をタヌキだけではない、他のいろんな動物、つまり「森の仲間」に提供する寛大な心を持っている。やはり、平和主義者だったのだ。
「共存」の姿勢が、近年勢力を拡大しているアライグマにも受け入れられ、争うことなく、着実に子孫を残して増えている。こんなところに、最近のアナグマの動向を知る手掛かりがあるのではないだろうか。一連の写真はそんなことを考えさせる。
クーチャンも野生のアナグマも、とにかく愛嬌者である。
寛容な彼らにふさわしい。